お産をした体験を振り返ることをバースレビューと言うそうです。
今回は、バースレビューがどういうふうに出産に良い影響を与えてくれるのか、論文を探して読んでみたので、その結果をまとめておこうと思います。
私の体験をさらっと紹介すると‥、途中まで経膣分娩コースでしたが、子宮口が5cmまでしか開かず、分娩停止ということで緊急帝王切開で息子を出産しました。
帝王切開の直後は、「出産した」というよりも、帝王切開で「お医者さんに赤ちゃんを取り上げてもらった」という表現をしていました。
出産、という単語を使いにくいな―と思ってしまっていたんですね。
でも今は、帝王切開だったけれどちゃんとした出産だった、と思えています。
時間とともに納得できた、というのもあると思うのですが、1番は出産の時、付いてくれていた夫からの客観的情報を元にバースレビューができたことが大きいです。
今でも、下から産んでみたかったな〜という思いは少しだけ残っていますが、自分の出産に対して後悔はないです。
自分のお産を肯定的に受け止めるきっかけになったバースレビューやその方法については、別記事で紹介しています。
出産体験のもたらす影響
バースレビューの効果があるかどうか、という研究はまだまだ少ないのが現状のようです。
ですが、出産体験そのものは、その後のママの心理状態や育児、次の出産に対しても影響を与えることが分かっているそうです。
つまり、出産体験がどんなものだったかが、その後の生活に影響してしまう、ということになります。
一概には言えませんが、出産体験に良くない影響を与えてしまう要因としては、医療介入があった経膣分娩、緊急帝王切開、予定外の妊娠、分娩時の痛みやコントロール不足感、初産婦であること、パートナーのサポート不足が挙げられるそうです。
逆に、出産体験に良い影響を与える要因としては、経産婦であること、会陰切開などの医療介入を受けていないこと、安心できる分娩環境、妊娠期からより良い出産に向けて意識を高めることなどがあるようです。
自分の体験に照らし合わせて考えてみると、
確かに、話には聞いても、1回経験してみなければ分からないのが出産だなーと思いました。
なので、2回目以降の出産であれば、1回目の振り返りや反省を生かすことが出来ると思います。
私は、2回目の出産では、ぜひ自分の胎盤を見たい!と思っています。
1回目のバースプランで、「胎盤見たい」に☑入れていたのですが、緊急帝王切開となったためバースプランは忘れ去られた感じで、胎盤は見れませんでした‥。
また、緊急帝王切開となったことへの微妙な気持ちは確かにあったのですが、無事に赤ちゃんに会いたい!という気持ちが第一だったので、緊急帝王切開がそれほど悪影響を及ぼすことはなかったかもしれません。
自分の中で、妊娠期からより良い出産に向けて意識を高めていたのかもしれませんね。
私にとって、より良い出産=赤ちゃんに無事に会うこと、だったので。
出産体験をポジティブに捉える:出産満足度も大事!
出産体験を良いものとしてポジティブに捉えると、自分の出産に対する満足度もアップします。
出産が上手に出来なかった、思うようにいかなかった、理想とは違った( _ _ )……….。
と自己評価が低い場合は、産後にうつ傾向になってしまうことも‥。
2017年秋ドラマ「コウノドリ2」で1〜3話に出ていた「産後うつ」につながるかもしれないと思うと、怖いです。
(高橋メアリージュンさん演じる妊婦さんの表情、すごかったです‥。)
でも、ネガティブな出産体験や出産に対する自己評価を少しでもポジティブなものへと変化させる可能性があるものとして、バースレビューの効果が期待されているようなんです。
他には、出産満足度を高める要因の1つとして、バースプランを立てることがあるそうです。
ただバースプランを立てる、のではなく、自分のお産をどう考えるか、家族がどう感じているかを主体的に考えることが大事だそうですよ。
バースレビューの効果を検証した研究
バースレビューをした人、しなかった人で出産の捉え方や満足度がどう変化したかを調査した研究があったので読んでみました。
(管理人的には、読んでみた論文の分析方法がこれで良かったのかな?と疑問に思う箇所もあったのですが‥。なので、さらっと紹介させていただきますm(_ _)m)
出産体験の捉え方
バースレビューを実施した人は、出産体験を肯定的なものとして捉える人が50%から70%に増加した。(分娩後24時間以内(実施前) VS 退院前(実施後))
バースレビューを実施しなかった人は、出産体験を肯定的なものとして捉える人が50%で変わらなかった。(分娩後24時間以内(実施前) VS 退院前(実施後))
出産満足度の変化
出産満足度を0点〜100点で考えると、
バースレビューを実施した人は、出産に対する満足度の平均点が約10点アップした。(分娩後24時間以内(実施前) VS 退院前(実施後))
バースレビューを実施した人は、出産に対する満足度の平均点は横ばいだった。(分娩後24時間以内(実施前) VS 退院前(実施後))
まだまだ今後の研究の積み重ねが期待されるバースレビューですが、今紹介したように、バースレビューを実施すると、お産を肯定的に受け止められて、出産満足度も高まる可能性があるそうです。
上でも述べた通り、出産体験の受け止め方は、その後の育児や家族計画にも影響を及ぼすことがあるので、自分のお産を振り返って、それがトラウマではなく、ポジティブなものとして捉えられるようになったら良いな―と思います。
参 考
園部真美, 臼井雅美, 河村秋, & 廣瀬たい子. (2012). 出産に対する満足感と 1 ヵ月後の母子相互作用との関連. 母性衛生, 53(2), 210-218.
中野美佳. (2011). 肯定的出産体験をもたらすための看護: 出産体験の想起・統合を促す看護の効果の検証. 母性衛生, 52(1), 111-119.
佐藤彰子, & 梅野貴恵. (2011). 褥婦のバースプランの認識と出産満足度との関連に関する研究. 日本助産学会誌, 25(1), 27-35.
竹原健二, 野口真貴子, 嶋根卓也, & 三砂ちづる. (2009). 出産体験の決定因子: 出産体験を高める要因は何か?. 母性衛生, 50(2), 360-372.
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