妊娠中のヨガは、マタニティ・ヨガ(ヨーガ)と呼ばれていて、産院でマタニティヨガの講習があったり、たくさんの本が発売されたりしています。
マタニティヨガを実践していた妊婦さんは、ストレスが少なかったとか、リラックスできた、出産がスムーズにいった、という体験談も耳にすることがあります。
安定期になったら、マタニティヨガの教室に行きたい!
というのも、楽しいマタニティライフを送る上でのモチベーションにもなりますよね。
そんだけマタニティ・ヨガについて普及してきている現在。マタニティ・ヨガには、どのような効果があるのかを調べてみました!
ちなみに日本では、日本マタニティ・ヨーガ協会が主体となって、妊娠中のヨガを推奨していています。
妊娠15週以降で、切迫流産の兆候があるなど妊娠経過に問題がなければ、ヨガを実践しても良いという方針だそうですよ。
ヨガとは?一般的にどんな効果があるの?
ヨガは、古代インド哲学を期限とする精神と身体の訓練方法とされているそうです。
例えば、腰痛持ちの人がヨガを実践すると、ヨガをしていない人と比べて腰痛が改善する、などの効果があるそうです。
以下に、一般的に、どんなヨガの効果があるのかをまとめています。
対象 | ヨガの効果 |
腰痛の人 | 腰痛改善 |
乳がん術後患者 | 炎症反応低下 疲労感・活力改善 |
更年期障害の人 | 生活の質(QOL*)改善 不眠改善 |
*QOL:Quality of life 生活の質
厚生労働省が定義する代替療法のひとつであるヨガ
厚生労働省は、イロイロな言葉を定義してくれているのですが、統合医療という単語を聞いたことがありますか?
(私は聞きなれない言葉だったのですが‥)
統合医療とは‥こういう言葉だそうです。
いわゆる「統合医療」は、近代西洋医学と相補(補完)・代替療法や伝統医学等とを組み合わせて行う療法であり、多種多様なものが存在します。
2012(平成24)年度におこなわれた厚生労働省の『「統合医療」のあり方に関する検討会』においては、「統合医療」を、「近代西洋医学を前提として、これに相補(補完)・代替療法や伝統医学等を組み合わせて更にQOL(Quality of Life:生活の質)を向上させる医療であり、医師主導で行うものであって、場合により多職種が協働して行うもの」と位置付けることとしています。
引用:「統合医療」情報発信サイト 「統合医療」とは?
そして、ヨガは、相補・代替療法の1つで、特に心身療法(Mind and Body Practices)だそうです。
つまり、ヨガは、生活の質(QOL)を上げるのに役立つケアだと考えられるということになります。
妊娠中のヨガ(マタニティ・ヨガ)の有効性に関する文献
マタニティ・ヨガの効果をリサーチするために、「妊娠中のヨガ (マタニティ・ヨガ) の有効性に関する文献的考察 (システマティック・レビュー)」という論文を読んでみました。
この論文では、妊娠中の女性をランダムにヨガをする群・しない群に分けて、その効果をまとめた論文を10編集めて、マタニティ・ヨガの効果について文献検討をしています。
そこで書かれていることをまとめていきます。
対象となった妊婦さん達
これから紹介する研究は、10編の論文を検討して、マタニティ・ヨガの効果を調べた研究です。
集めた論文の対象者は、全て妊婦さんなのですが、健常妊婦さん、うつ状態の妊婦さん、ハイリスクな妊婦さん、腰痛持ちの妊婦さんと様々でした。
実践してもらったヨガについて
妊娠中に実践してもらったヨガの内容は大きく分けて3つです。
①身体姿勢、②呼吸法、③瞑想となります。
選んだ10編の論文では、①身体姿勢のみ実施=2編、①②③の全て実施=8編だったようです。
個人的にオススメなマタニティ・ヨガの本♡DVD付きです♡
私が妊娠中にやってみた「マタニティヨガ」の本でも、①身体姿勢、②呼吸法、③瞑想のすべてが入っていました。
この本で、実際に、私は妊娠中の腰痛が改善したので、おすすめの本です!
マタニティ・ヨガの効果
マタニティ・ヨガの効果をリサーチするために、「妊娠中のヨガ (マタニティ・ヨガ) の有効性に関する文献的考察 (システマティック・レビュー)」という論文を読んでみたところ、以下のような効果がありそう!ということが書いてありました。
マタニティ・ヨガでストレスが改善!
妊婦さんがマタニティヨガを実践することで、ストレス、精神的QOL、抑うつ、不安、妊娠関連ストレスが改善する可能性が示されたそうです。
ストレスや不安、気分が沈む‥という状態が改善されると、ハッピーな妊婦ライフを満喫できることにもつながると思うので、ヨガでネガティブな精神状態が改善されるなら、私も、ぜひ実施したいと思いました。
マタニティ・ヨガで腰痛や、出産時の痛みが軽くなる可能性あり!
気分やストレスなど、精神的な面で、マタニティヨガに効果がありそうだ、ということですが、身体的な面ではどうかというと‥‥
腰痛や背部痛、身体的なQOL、分娩時の疼痛が緩和する可能性があるそうです。
妊婦さんの腰痛は、ペプチドホルモンのキラキシンの分泌によって骨盤の靭帯が緩んでしまうことや、筋肉の機能障害などが関連するという報告もあります。
ヨガを実践することで、その筋肉の機能が改善されることで、骨盤の歪みが減って、腰痛や出産時の痛みが減ってくれる、と考えられるのでは?ということでした。
マタニティ・ヨガで分娩時間が短くなるかも?!
妊婦さんがマタニティ・ヨガを実践しておくことで、出産時の痛みが減るということですが、分娩時間に影響するということはあるのでしょうか?
正常初産婦さんを対象に、マタニティ・ヨガの効果を調べた研究では、分娩時間が短縮するという効果があったそうです。
出生体重や分娩週数、早産、などへの影響については、今までなされてきた研究が少ないので、まだ何とも言えない感じみたいで、今後も研究が続いていくと思われます。
マタニティ・ヨガは、どのような頻度で実践したら効果があるの?
実際、マタニティ・ヨガの実践頻度が多くなるほど、効果があるのか?ということはまだ分かっていないそうです。
少なくとも、妊婦健診に通いながら、そして、自分の体調と赤ちゃんの状態を見ながら(感じながら)、安全に行える頻度が良いと思います。
妊婦さんを対象にした研究ではなく、乳がん術後患者さんを対象にヨガの効果を調べた研究では、ヨガを実践するほど炎症反応の改善があった、という研究があるそうですよ。
ヨガを続けるモチベーションの保ち方
あと、個人的にヨガが継続できるか?に関わってくるのが、モチベーションだと思います。
良さそうなDVD教材に出会えることや、オシャレなヨガ用品があること!😁
もう、ほんと個人的なコツなんですけどね(^_^;)
妊娠中にヨガをする際は、安全性と楽な姿勢が取れることを考えて、ヨガ用品がある方が良いと思います。
なくてもヨガは出来るのですが、お尻が痛かったり、足がすべったりして危ないです。
できれば、ヨガマットは購入されることをおすすめします💡
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マタニティ・ヨガの安全性は?副作用はあるの?
日本では、日本マタニティ・ヨーガ協会が主体となって、妊娠中のヨガを推奨していて、妊娠15週以降で、切迫流産の兆候があるなど妊娠経過に問題がなければ、ヨガを実践しても良いという方針だそうです。
アメリカ国立代替医療センターによると、ヨガは全体的に副作用の頻度が低く、ヨガで重症を負うリスクは非常に低いとされているそうです。
自己判断は、やめといたほうが良いと思いますよ(^_-)!
いかがでしたでしょうか?
妊娠中のマタニティ・ヨガは、妊娠経過に問題がなければ実践してみても良さそうですね!!
日本では、妊娠中にうつっぽくなってしまう妊婦さんが約13%、出産時の年齢が35歳以上の妊婦さんが約27%、妊娠中の腰痛がある妊婦さん約68%という報告もあるそうです。
マタニティ・ヨガを実践することで、そのようなネガティブ要素が改善してくれたら良いな―と思います。
参 考
川西康之, 田端一基, 中木良彦, 伊藤俊弘, 吉岡英治, 吉田貴彦, & 西條泰明. (2015). 妊娠中のヨガ (マタニティ・ヨガ) の有効性に関する文献的考察 (システマティック・レビュー). 日本公衆衛生雑誌, 62(5), 221-231.