出口が見えない、ゴールが見えない、と気持ちばかりが焦って、不安ばかりの不妊期間でした。
息子を出産した今、自分の不妊期間について少し客観的に考えられるようになってきたので、いつかどこかでこの記事を読む方のために、不妊治療中の気持ちの持ちようについて書き残しておこうと思います。
この記事の目次
赤ちゃんが欲しいという強すぎる気持ち
私の妊活は、3年半。
こうして数字で書いてみると、自分が感じている期間よりもよりも短く感じます。とても長いあいだ妊活していたように思っているんです。
好きな人の子どもを産みたいと中高校生くらいの頃からずっと思っていたので、夫と付き合っている時から子どもが欲しいと思っていました。
子どもが欲しいという気持ちが強すぎる?!くらいでした…w
夫と結婚してから妊娠が分かるまでが3年半でしたが、結婚前に付き合った期間は3年半。
合計すると7年です。
夫と付き合い始めてから7年も赤ちゃんが欲しい!妊娠したい!と思っていたことになります。
なので、純粋な妊活期間は3年半ですが、もっと長いあいだ妊活していたと錯覚してしてしまっているようです。
この錯覚は妊活に悪い方向に働きました。
ずっと赤ちゃんが欲しいのに「まだ妊娠できないのかな…?」とマイナス思考になっていってしまったのです。
妊活中の期待感と失望感
結婚したらすぐに妊娠できると思って疑わなかったです。
何なら、入籍や結婚式前にできちゃっても良い、と思っていました。
でも、何となく、生理不順であることが、何年も心の奥底で不安に思っていました。
もしかして不妊かもしれない。不妊だったらどうしよう?という気持ちがあったのですが、真正面から考えるのは避けていました。
1年目は排卵検査薬を使って妊活にトライしていました。
最初のうちは、妊娠しなくても、排卵日の予想が外れたかな?等々思っていました。
でも、ぜんぜん妊娠しない。
少しずつ自分は不妊かもしれない、と思うようになっていきました。
結局、結婚して1年経っても妊娠しなかったので病院に行ってみる事にしました。
不妊治療の開始です。
妊活中は、今回の周期は妊娠したかな?と期待して、生理が来て、の繰り返し。
排卵期〜生理予定日までの期待感と生理が来てしまった失望感。
ジェットコースターみたいに気持ちが上から下に振り回されるような感じで、だんだん気持ちが疲れていきました。
自分から「不妊」だと思い込んだ
赤ちゃんが欲しい強すぎる気持ちと、期待感とそれに裏切られた時のジェットコースターみたいな気持ちの急降下を繰り返して疲れていった私。
通勤電車でも、職場でも、街を歩いていても、赤ちゃん連れの家族を見ると「いいなー」と羨ましく思っていました。
妊婦バッジを堂々と付けている人を見ても、「嫌だな。不妊を味わってないから、あんなに堂々と付けられるんだ」と卑屈に思っていました。
また、知り合いの妊娠報告を聞いても、おめでとうとは思うのですが、棒読みで良かったねー、という感じ。
心の底からおめでとう!とは思えませんでした。
赤ちゃんが生まれた周りの人たちと「不妊」の私は違うんだ、と線引きしてしまうようになりました。
赤ちゃんできない…
と、自分から「不妊」というカテゴリーに入っていたように思います。
自分では、頭の中が妊活ばかりにならないように、過度な期待を持たないように過ごそうと思っていたんですが…。結局できませんでした。
人工授精、体外受精、顕微受精と治療をステップアップするたびに、逆に期待感が大きくなっていってしまいました。
顕微授精で子どもを授かった方との出会い
自分から赤ちゃんできないと思い込んで「不妊カテゴリー」に入っていた私は、超超超ネガティブでした。
ですが、自分と同じ治療を経験して妊娠した方と出会って、励ましてもらって、気持ちの持ち方が変わりました。
その人に言われたのは、ホント些細な、言われ慣れたことだったんですが、経験者に言ってもらったことで私はやっと素直に受け入れられました。
「大丈夫、絶対赤ちゃんできるから」
言ったら何の根拠もありません。絶対なんてこともありません。
ですが、そう言ってもらって私はとても嬉しかったんです。
ネガティブなことばかり考えていた私でしたが、何となく気持ちがポジティブに変わった瞬間でした。
赤ちゃんできるかも、と思えるようになり、自分から入り込んだ「不妊カテゴリー」から抜け出せました。
嘘のような本当の話ですが、そこから半年で妊娠できました。しかも自然妊娠でした。
私が妊娠できた理由
私が妊娠した時期は、夫の精索静脈瘤の術後、結果が出ると言われる3ヶ月後。
私の不妊治療は、ホルモン注射が効きづらくなって女性側の不妊治療は休憩中の周期でした。しかも、メニエール病の耳鳴り治療中の周期。
自分の体調も万全ではなく、不妊治療もできていなかったので、妊娠は特に期待していませんでした。
妊娠は忘れた頃にやってくる、妊娠したいとばかり考えちゃダメ、と聞きますが、その通りだと思いました。
強すぎる妊娠したいプレッシャーは、ホルモン分泌に悪影響だったでしょうし、赤ちゃんができないという気持ちもダメだったと思います。
私が妊娠できた理由は
- 不妊治療に通って、生理不順が良くなってきていた
- 自分から不妊だと思い込まなくなった、いつか出来るのかなとちょっとでも思えるようになっていた
- 夫が精索静脈瘤の手術をした
と感じています。
不妊経験者である私が伝えたいこと
不妊治療に通っていると、クリニックや病院にいるのは不妊の人。
そこに行っている自分も不妊の人。
そのように考えていました。
不妊がその人のアイデンティティーみたいに…。
それはダメな考え方だと思います。
自分から「不妊カテゴリー」に入ってしまっています。
オススメするのは、自分がいて、自分の人生があって、その中の一部に不妊治療に行っている時間があるというイメージが持てること。
妊活中、不妊治療中は、妊娠する事が1番の目標になってしまいがちなのですが、子どもを持つこと以外の自分の目標も持てると良いと思います。
(私にはとても難しいことでしたが…。)
最後にもう一度、顕微受精まで経験した私が自分の意識を変えてもらった言葉を載せておきます。
「大丈夫、絶対赤ちゃんできるから」