子どもに母乳をあげるのを終了する時というのは、いつかは来るものです。
私の場合は、子供の体重の増えが悪く、離乳食を食べるようになってもらうのに断乳しました。
その時に感じたのが、おっぱいケアの重要性。
きちんとしたおっぱいケアをしないと、乳腺炎になってしまったり、次の子の授乳時に乳腺が詰まっていたり、といった問題が出てきてしまうようです。
私も、カチカチになったおっぱいをどうケアしたら良いのか、疑問に思って、検索しまくりました。
でも、インターネットにまことしやかに書かれている卒乳・断乳時のおっぱいケアは、本当なのか?
科学的に根拠のある卒乳や断乳の方法があるのか??
根拠がなく、あいまいに書かれているページがほとんどで、結構困りました‥。
結局、私がどのインターネットページを参考にしたのかをご紹介して、その方法が良かったのか?を追加で調べてみました。
この記事の目次
オススメ!AMOMAの卒乳・断乳時のおっぱいケア
結局、参考にしたのは、妊活や授乳期のオーガニックハーブティーで有名なAMOMAさんの卒乳・断乳方法が書かれたページを参考にしました。
【助産師監修】断乳の仕方ー上手な方法・時期・進め方についてー
特に大切なのが、2つ目の「助産師が教える!卒乳・断乳時のケア」の方ですが、、
AMOMAさんの残念なところが、1つあります‥。
ケアの方法は、どちらのページも読んだほうが良い
という所なんです。
こっちのページには書いてあるけれども、あっちのページには書かれていない、内容があるので、2ページきっちり読んでから、おっぱいケアを実践したほうが良いと思います。
でも、この2つのページを読んだら、スムーズに卒乳・断乳時のおっぱいケアが出来ました!
AMOMAさんのページでも、引用文献が載っているわけではないので、ケアの根拠までははっきり書かれていません。
でも、助産師さんが教えている、という点と、◯◯は科学的根拠はない、と書かれていたため、その他の部分は科学的根拠があるのだろう、と信用できました。
おっぱいを搾る時の「おにぎり絞り」のイラストがあって分かりやすかったのも、良かったポイントです。
また、ミルクセーブブレンド(卒乳ブレンド)というオーガニックハーブティーも発売されているようです。
卒乳日や断乳日をあらかじめ決めて、卒乳/断乳する方は、こちらのハーブティーも併せて飲んでみるのも良いのかな―と思います。
母乳が出過ぎることで悩んでいるママさんにもオススメだそうです。
AMOMAの卒乳/断乳時のおっぱいケア・まとめ
上で紹介したAMOMAさんで2ページにまたがって書かれているおっぱいケアを、私なりにまとめてみました。
【基本的な方法】 |
最初の2日間はどうしても痛いときだけ、1日1回のペースで少し搾る。 |
3日目にしっかり搾るとその後、張りは治まっていく。(※1) |
4日目以降は、痛いときだけ少し搾り、1週間後にまたきれいに搾る。 |
最終的に搾乳する間隔が1週間おき程度になると、母乳の分泌は減少するので、自分のペースでおっぱいの様子を見る。(※2) |
(※1)それでも母乳が作られて、おっぱいが張ってしまって辛い時は、搾乳時期を2~3日おきへと徐々に延ばして様子を見る。 |
(※2)私の体験談:おっぱいが張らなくなって、しぼんでしまった所でケアは一旦終了。ほったらかしにしていました。その数ヶ月後、乳首に垢のような、乳粕(ちちかす?)が付いているのに気付き、シャワーの時にやさしくこそぎ落としました。 |
【ポイント】 |
断乳開始直後は、おっぱいを温めないように、湯船にはつからない。 |
おっぱいが張るから・溜まるからといって搾乳しすぎることは刺激になり、母乳を作る要因となってしまう。出来るだけ搾乳しない。 |
搾乳時に、乳頭やおっぱいの付け根を刺激することも母乳の分泌を促すことにつながる。両手絞り(おにぎり搾り)でゆっくりと搾乳する。 |
シャワーを浴びながら「おにぎり搾り」をする。
方法:乳房全体を手のひらで包むようにして、外側から内側に向けて母乳を搾り出す。大きめのおにぎりを握る要領で搾る。 |
痛みや張りが強い場合は、乳房を冷やすと楽になる!アイスノンで直接冷やさないこと⚠
方法:◎濡れタオルを当てて冷やす。 |
母乳の分泌が多く辛い場合は、ペパーミントの冷湿布もオススメ。
方法:冷水を入れた洗面器にペパーミントの精油を6滴ほど垂らして、その中におしぼりをひたして軽く絞る。これを、おっぱいが張っている時・お風呂上り・搾乳後などに乳房全体にかぶせる。 このペパーミントおしぼりを、まとめてジップロックなどの保存袋に入れて、冷蔵庫で保管しておいて、適宜交換するとおっぱいの張りが楽になる。 |
おにぎり搾りの画像をAMOMAさんからお借りしました。
こんな感じです。(下)
以上、AMOMAさんで紹介されていた卒乳・断乳時のケアをしっかり実践して、母乳を出し切ってしまいましょう!
その後は、おっぱいがしぼんで楽になったのですが‥、産前よりもしぼんだおっぱいにがっかりしてしまいました・苦笑。
論文を読んでみた!卒乳/断乳時のおっぱいケアの科学的根拠
①乳頭刺激を回避するケア
その1:桶谷式断乳方法
最後の直接授乳後、3日目、10日目、24日目に助産師が断乳療法(具体的には乳房マッサージと排乳)をする。
それ以外の搾乳は、圧抜き程度にしておく。
その2:根津氏の提案した断乳方法
断乳日から4日目までは、1日1回すっきりするまで搾る。
それ以外は、苦痛があったら圧抜き程度の搾乳を1日3〜4回行い、6日目、13日目、27日目にすっきりするまで搾乳する。
その1、その2という方法が本になっているが、経験的に良いだろうと言われてきたケアのようです。
その1、その2が本当に、卒乳/断乳時に、おっぱいのトラブルを回避できる適切な搾乳方法なのかは、さらなる検証が必要みたいです。
その1:桶谷式断乳方法を受けた母親を対象とした研究(吉留、2006)では、実際、桶谷式の断乳マッサージを受けてもらい、マッサージの前後で乳房緊満度合いが改善した、というものがあります。
ですが、対象となったのが母乳分泌が多いママだったのか?少ないママだったのか?ということでも、結果は違ってくる可能性はありますし、
対象となったママさんが、自分で搾乳等のおっぱいケアをした日があったのかなかったのか、
桶谷式断乳方法の、排乳に関する評価はないのか、等疑問が残ります。
ですが、医学的には、「乳頭への刺激を与えないことで 乳汁産生ホルモン=プロラクチン の分泌の誘発を阻害する」ということがあるので、
おっぱいがどうしても張って辛い時に、乳首に刺激を与えないように、圧抜き程度の搾乳をする、という方法は理にかなっているそうです。
このような本も出ています。
②乳房冷罨法
おっぱいを冷たいおしぼりなどで冷やす、という乳房冷罨法というケアについてです。
卒乳/断乳にともなって、母乳がおっぱい内に残っている状態や張ってきている感じ(うっ滞、うっ積)を軽減したい時に使われるケアのようです。
冷罨法自体も、卒乳/断乳時のおっぱいケアとして適切なのかは、科学的には明らかにされていないようです。
ですが、腫れていたり、熱をもっていたりする際に、その部分を冷やしてあげると、多少症状が和らいだり、気持ち良さを感じたりする、ということだと思います。
なので、AMOMAさんで紹介されていた、冷たいおしぼりをおっぱいに当てたり、冷たいキャベツ湿布やペパーミント湿布をする、というケアは、気持ちが良いな、と感じるなら実践してみても良いかもしれません。
③乳房圧迫ケア
この乳房圧迫ケア、というのはあまり聞きませんが、日本でも、海外でも行われてきたそうです。
ですが、科学的な根拠というのは明らかにされていないそうです。
④食事・水分の制限をする
卒乳/断乳時に、食事や水分の摂取制限をする、という指導をされることもあるようです。
ですが、卒乳/断乳時に一時的に食事や水分量を制限したからといって、母乳の分泌量が減るのか?というと、科学的には明らかにされていないようです。
おそらく、脂っこい食べ物を制限することで、乳腺炎になるのを予防しよう!ということなのだと思われます。
卒乳/断乳時に気をつけたいのが、おっぱいが「乳腺炎」にまでなってしまうことですからね。
⑤その他のおっぱいケア
便通を良くする、爽快感をもたらしてくれる植物や薬を使用する、などの乳房ケアがなされていたこともあるようですが、効果があったのかは分かりません。
AMOMAさんのキャベツ湿布やペパーミント湿布も、実際は科学的な根拠があるわけではなさそうです。
キャベツには、何らかの効果があるのかもしれませんし、ペパーミントオイルは、香りもよくリラックス出来るのかもしれません。
②乳房冷罨法と一緒で、気持ちが良ければ、それで良し、というケアだと思います。
効果が証明された卒乳/断乳時のおっぱいケアというのは、あまりない‥
悲しいかな、科学的に効果が証明された卒乳/断乳時のおっぱいケアというのは、ほとんどありませんでした。
お母さんたちのおっぱいのカチカチさ、カチカチすぎて痛すぎる日々‥
それらを軽減したい!軽減してあげたい!という思いや対処法が、昔からの経験として積み上げられてきて現在がある、という感じでした。
唯一、根拠があるかな?という方法は、乳頭刺激を避けること、でした。
医学的には、「乳頭への刺激を与えないことで 乳汁産生ホルモン=プロラクチン の分泌の誘発を阻害する」ということがあるので、
おっぱいがどうしても張って辛い時に、乳首に刺激を与えないように、圧抜き程度の搾乳をする、という方法は理にかなっているようです。
なぜ卒乳/断乳時のおっぱいケア情報が不足しているのか?
現在では、母乳をやめる必要性がないという考え方があります。
WHO(世界保健機関)は、「生後6ヶ月間は母乳のみで育てられるべき、2歳かそれ以上まで母乳を続けるべき」と言っています。
なので、厚生労働省が平成19年3月に策定した「授乳・離乳の支援ガイド」でも、卒乳/断乳の方法までは書かれていないのです‥。
離乳食とは別に、母乳または育児用ミルクは子どもの欲するままに与える、とか書かれているだけです。
ずぇんずぇん、使えないー!!!!
仕事などの関係で、卒乳断乳する母親の悩みに沿っているとは言えない「授乳・離乳の支援ガイド」‥。
子どもがある程度まで大きくなっていくと同時に、自然に母乳生産が終わっていく、という状況を想定しているのでしょうが‥、そんなん現在の状況に合っているのでしょうか?(反語)
厚生労働省での見直しを期待します。
参 考
新池里沙子,立岡弓子.わが国で行われてきた母乳哺育終了時の乳房ケアの歴史.滋賀医科大学看護学ジャーナル,42,41-46,2015.
吉留厚子,小西清美.断乳時の桶谷式乳房マッサージによる主観的不快症状,乳房緊満および乳房表面皮膚温度の変化.日本助産学会誌,20(1),60-68,2006.